必死こいて桜姫やってやんよ!
「ーー…紀憂さん、少しよろしくて?」
今日も変わらず学校が終わり、また待っている車に乗って帰るのだろうと思っていた。
それが今日はちょっと違うらしい。
「貴女何様のつもりなんですの?」
「灰様達に捨てられたと思ったら次はサキ様?冗談もほどほどにしてほしいですわ」
「…お姉さま方そんな情報良く入ってきますね…」
いや、ほんと脱帽。
いったい何処から仕入れてることやら。
「サキ様だけでは飽き足らず、鳴海様や瑠璃様にまで!」
「…ホント、よく知ってることで。」
瑠璃と鳴海、二人が立ち上げたチームがある。
サキはその2代目だ。
ただ、サキはともかくあの二人とあたしがどうこうなる確率はゼロ。
流石のお姉さん方もここまでは知らないらしい。
瑠璃と鳴海、それにあたし。
小さい頃は一緒だった。
そう、小さい頃は。
今は全く違う道を歩んでいても、変わらない真実はある。
鳴海は瑠璃の良き理解者。
瑠璃は鳴海の良き相談者。
あたしは瑠璃の…実の妹だ。