If〜桜龍の彼等〜【完】
ズサッ−−−

「うあっ…」

凄い音に閉じていた目を開けると、タクトが地面に転がっていた

タクトは素早く起き上がり若宮さんに向かっていく

だけど…若宮さんに殴り掛かった瞬間、勢いよく地面に転がる

若宮さんはタクトを殴ったわけじゃない

攻撃をかわし突き飛ばしただけ

何度も繰り返すうちに徐々にタクトの息が荒くなっていく−−

「ハァ…ハァ……」

「もう諦めたらどうだ?」

「うるせぇっ…」

そう言ってまた殴り掛かる

「うあっ………」

タクトの腕や手は砂と血で汚れていく

もう何度も殴り掛かっているのに、ただの1度も拳が若宮さんに掠る事はない−−

「ハァ…クソッ……」

タクトとは対称的に若宮さんは涼しい顔をしたままだった


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