俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
砂のせいで思うように走れない。


胸が苦しくて息がきれる。



「くそっ…」


俺は足で砂を蹴りあげた。


「っ…!」

蹴りあげた砂が風にふかれて目に入る。


いってぇ…


もうなんなんだよ

なにしてんの俺


「はぁ…」


俺は走ることをやめて海を見つめた。


頑張ったのにな…


俺なりに
初めて頑張ってみたのに

それでも駄目な俺


どんだけだよ


虚しすぎるだろ


どんなにあがいても愛されない俺の価値ってなんだ?


いつもヘラヘラ笑って誤魔化してきたけど







俺は砂がまだ残る目を擦った


「ってぇ…」


目も痛いし

胸も張り裂けそうに痛い。


もう消えてしまいたい





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