ONLOOKER Ⅱ


「いつもは……お手伝いさんが選んでくれるんで、もう少し、ちゃんとしてます。襟付きが多いし」
「あ、そう……」
「直姫は誰とペアでも問題なさそうだねえ。じゃあそっちで適当に分けてよ」
「私とお前と組むことに問題が有るのは変わりないだろう」
「なに、写真気にしてんの? 一度載るのも二度載るのも同じだって」
「そんなわけあるか!」


へらりと笑った准乃介に、紅が顰めっ面をして見せる。
一方では、面倒になった恋宵が「じゃんけんで決めるにょろ。さいしょはグーね」と言い出し、聖からブーイングを浴びていた。

要するに、ただ単に、尾行ごっこと称して遊びたいだけなのだ。
里吉の要求を飲んで渋々、というていで来たわけだが、観覧車やジェットコースターを見ているうちに、だんだん楽しそうに思えてきてしまった。

適度に人目はあるが、それほど混んでいない。
つまり、なにか怪しげな動き、例えばマフィアの手先に誰かが襲われたりなんてことがあれば、目立ってしょうがないはずだ。

さすがにこんなところで行動を起こしてくるほど、相手方も考えなしではないだろう。
里吉には夏生も付いているんだし、遊ぶ片手間の監視だって十分なはずだ。

一回りしたら合流して、今度は全員で動けばいい。


そんなふうに考えていた。
そんなふうに考えていたことが、間違いだったのだ。

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