ONLOOKER Ⅱ


「となると、お化け屋敷か迷路だにゃあ」
「迷路、さっき通った時は三組くらい並んでましたよ。カップル特典があるみたいです」
「じゃあお化け屋敷にゃ」


ですね、と直姫は呟いた。
夏生ならば、里吉がなんと言ったって、わざわざそんなところに並んで入ったりはしないだろう。

お化け屋敷ならば、直前までいたキャンディーの屋台からもそれほど離れていないし、少しよそ見した隙に姿を消したのも頷ける。
お化け屋敷は展望台からも見える場所にあって、直姫の視力ならば、看板に書かれた文字や、なぜか貼ってある国旗の種類までわかる近さだ。


「あ、ポップコーンの屋台。真琴たちあのへんですね」
「じゃあ電話するにょろ」


さっき電話をかけたばかりなので、なんだか二度手間になってしまったみたいだ。

恋宵の取り出した、携帯電話本体よりも明らかに体積の大きいストラップを眺める。
邪魔そうに手で避けてから操作するのを見て、だったら外せばいいのに、なんて考えていた。

持ち主にそっくりな存在感のストラップたちが、白い手の甲の上で揺れる。

呼び出し音の鳴っている間に、ふと恋宵は電話を耳から離した。
スピーカーに切り替えてすぐに、がちゃ、ともぼつっ、とも聞こえる音が鳴る。

そしてその後に、妙に間延びした声が続いた。

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