それはたった一瞬の、


――今じゃないだろうか。


彼女がくれた分の力を振り絞るのは、今しかないんじゃないだろうか。

何も変わっていない。

彼の命の制限時間も、彼女の限られた命も。


改善なんてしなかった。
そんなに都合のいいものではなかった。


それなのに空が青くなっただけで、どうしてこんなに希望を持てるんだろう。

いつまでだって彼と共にいられるんじゃないか、そう思ってしまう。


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