シャボンの国 -the land of soap bubbles-
『軽い風邪だったとしても…魔力の無いリル様が患えば大病になり得る可能性もあります』




医師がそう告げた事により、リルは外出が禁止になった。



カイルがしてやれる事と言えば、こうして毎日リルの部屋を訪れ、リルが退屈しない様に相手をしてやる事ぐらいだった。





「けど、変な動物なんて怖いよね。捕まえに行った人が怪我とかしちゃったらどうしよう。僕、そっちのが心配かも」






こんなに繊細で温かくて優しくて。



どうしてリルなんだ。



どうして神は俺を選ばなかった。






無意味だと理解している疑問はカイルの頭から離れる事は無い。




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