シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「げほっ、」



耳に届いたリルの咳。




口元に手を当てて、咳を出した後リルはこちらを見て零した。




「何かこの部屋少し寒いね。窓閉めちゃうね」



「………寒い?」





気候変動などほとんど無いこの国で寒いだなんて。





「…っ、ゲホっ、ゲホッ、」



「!リル!」



「ゲホっ、大丈夫…、何かむせちゃって…」





それでも止まらないリルの咳。



考えるより速くカイルは宙を浮かび部屋を飛び出していた。
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