シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「そろそろ戻るか。お互いびしょ濡れだし」



そう言葉を落としたカイルに頷いて、ギュっと掴まった手に力を込めた。



同時に背中に回ったカイルの腕にも力が込められた様な気がして。



その圧迫の所為で花音の心臓の速度が落ちる事は無かった。







家に着いた時にはカイルの言葉通り、お互いびしょ濡れになっていて。



慌ててお風呂にお湯を溜めた花音がカイルに言葉を落とす。




「カイル、先に入ってきて。風邪引くから」




「いや、俺風邪とかは引かないから大丈夫。寒いから後で入らせてもらうけど。花音行ってきな」




その言葉に頷いて浴場へと向かったのだった。
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