恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「いち、はち、なな、ってこと?」


「やさ」


「え!」


187センチ!


「すご。なに食べればそんなに大きくなれるの!」


「ゴーヤー」


「は? あれ、超絶苦いじゃん! 好きなの?」


「やさ」


「信じらんない」


「何でか。ただのにがうりさ」


「あれ、食べ物じゃないって」


まさかのまさかだった。


たかが身長の話題から話が広がって、会話が弾むなんて。


悠真との会話がこんなに楽しいなんて。


「だってあれ、歯磨きしても苦いの残るじゃん」


「やしが(でも)、わんや好きやっさ」


何かを言えば、すぐにポーンと何かが必ず返って来る。


会話が弾むって、こういう事なんだろうな。


やっぱり、同い年の子と話すのは楽だ。


「なーに。ゴーヤーは料理の仕方ひとつやっさー」


陽妃のお母さんは料理が下手なんか、と悠真が笑う。


「ううん。上手。でも、ゴーヤはちょっとね」


「ふうん。じゃあ、ヤーんとこの裏のおばぁに作ってもらえばゆたさんやっさーろ」


「裏の……おばあ……?」


「やさ」


「え……悠真、知ってるの? おばあのこと」


「いー」


こく、と悠真が頷く。


「おばぁのこと知らねーらんやつはおらんさ。与那星島でいちばんのユタやっさーからね」


そうだったんだ。


「おばあって本当にすごい人だったんだね。ただの無愛想なおばあちゃんだと思ってた」


そう言って苦笑いしたあたしの右肩をバシバシ叩いて、


「ウーウー! 確かんかい!(確かに)」


悠真は可笑しそうにひとしきり笑ったあと、歩く速度を落として言った。

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