恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
やっぱり、過去を思い出すと切なくなってしまう。


むなしくなってしまう。


惨めになった。


隣でジェラートをぱくつく悠真を見て、苦笑いした。


「悠真は……」


「何さ」


「悠真は男の子なのに、甘い物……食べるんだね」


背中を丸めてぽつりとこぼすと、


「何かね。陽妃の彼氏は甘いもん食べねーらん人なんか」


「……え」


まだ何も言ってないのに、悠真が核心を突いてきた。


「な……んで?」


何で分かったんだろう。


意表を突かれて動揺し困惑していると悠真は小さく静かに笑って、


「陽妃は分かりやすいやつやっさー。顔ん書いてあるしよー」


とあたしの顔をプラスチックのスプーンで指した。


「泣きじーな顔しやがってさ」


泣き……?


「あたし……?」


泣き顔になってた?


聞きながら首を傾げると、悠真がこくっと頷く。


「……別れて来たんかね」


なんか。


「遠距離や無理やしが、言われた型やっさーろ」


なんか……。


「……うん」


なんていうか。


「やっぱりね。たいがいやさ。移住して来る子やぁ、たいがい恋人と別れて来るから」


「……そっか」


なっさけないな、あたし。


いつまでも、いつまでも、引きずって。


未練がましいったら。


まだ良く知りもしない悠真に、あっさり見破られてしまうくらい。


まだ、忘れられなくてさ。


情けないな。


本当に。


「なんていうか……振られたっていうか」


きつい陽射しがジェラートを煌めかせながら融かしていく。
< 193 / 425 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop