泣き顔にサヨナラのキス
 

すると、ふと立ち止まった原口係長は「小林、梶間食堂行くからお前も来いよ」なんて言い出した。


ちょ、ちょっと、それは。


やっぱり、朝に事情を話しておくべきだったと後悔しても遅いけど。


孝太を見ると、明らかに困った顔をしている。


「いや、昼一で出たいんで」


「いいから、来いよ」


有無を言わさない原口係長の言い方に、孝太は渋々立ち上がった。



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