泣き顔にサヨナラのキス
    

「彼女に恋をしていないと気付いたとき、彼女から別れを切り出された。

ずっと、寂しかったってさ。ポロポロ涙を流して泣いていたよ。それを見て、今までどれ程傷つけてきたのかを知った。

あぁ、情けない男だよ、俺は。お前の事だって……」


「え?あたしですか?」


「そ、お前。あんな事、言うつもりも何も無かった。それなのに、お前が泣いてばかりいるから。

ま、いいや。終わった事だし。

お前が元気で笑っていたら、それでいいんじゃないか。なんて、今は想っているよ」


そして、屈託無くはははと笑う。



< 455 / 614 >

この作品をシェア

pagetop