泣き顔にサヨナラのキス
孝太の言葉が重く圧し掛かる。でも、それは当然のこと。
あたしがもし逆の立場だったら?
孝太を赦せるだろうか。
「俺のカナにキスをして、心まで奪うなんて腹が立つ。だけど、一番腹が立つのは自分にだよ」
「えっ?」
「カナがよそ見しない様に俺に夢中にさせる。二度と、俺から離れないように」
孝太が言っていることが理解できない。
だって、あたしのこと赦せないんでしょ?
「孝太、もしかして」
知っていたの?