愛姫



重たい扉が開くとたくさんの人が見えた。




また評価されるような視線。




ノディアについて歩く。




ヒソヒソと話す声が聞こえる。




ピタッと立ち止まるノディア。




ユアも合わせて脚をとめた。




顔を少しあげると、ノディアの両親であろう男女がいた。




その脇にはサラとジュナも見える。




「異世界からの姫、名は?」




厳しそうなノディアの父親らしき人が言う。




鋭く冷たい声にあまり感激されていないことが伝わる。




「・・・ユ、ユア・・・と申します・・・・」




声が震える。




「ノディアよ、お前は本当にユアを正妃にするつもりか」




「・・・・」




ノディアは口を閉じたまま。



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