イジワル王太子と政略結婚!?
「!?」


すると、私の手が届くよりも先に、シーナの手が翡翠を掴んだ。


「シーナ!?」


さっきまで閉じていた瞳は、うっすらと開けられている。



『…お前は…俺が守る…!』


シーナはありったけの力を振り絞るように、翡翠をかかげようとする。


私もその手を両手で握り締めて、ひたすら祈った。



“人間ドモ……死ネ!!”


黒い影が大きな波のように私たちに襲い掛かってきた。



お母様、助けて…!!


シーナを

私たちを

守って──!!


< 204 / 241 >

この作品をシェア

pagetop