イジワル王太子と政略結婚!?
「…信じてるから」

『ふ〜ん…』


シスルは少しつまらなさそうな表情をして、グラスを口に近付けた。



「それより!お兄さんさっきから忙しそうにしてるけど、あなたは行かなくていいの?」

『あー、なんか国から連絡があったんだってさ。
人なんていないはずの森で行方不明者が発見されたとかって』


えっ…森で行方不明者が…?


『それも何人も。だから国じゃ大騒ぎになってるらしい』

「ねぇ、その森って…」


『神秘の森だろう?』

『王…』


シスルが声の主に一礼をする。


私も振り返ると、式を終えたお父様とシーナがやってきた。

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