イジワル王太子と政略結婚!?
話を聞いていたシスルが何か思い出したように顔を上げた。


『そういえば、森で妖精を見たって言う調査員もいたとかって…』

「『妖精!?』」


私とシーナが声をそろえて言うと、シスルはきょとんとしてお父様も笑っていた。


『いるかもしれないな、精霊の話も多くあったから。
だから“神秘の森”なんだよ』

『へぇ…絶対見間違いだろうと思ってたけど、そうとも言えないな』


そんなシスルの肩をポンッと叩くお父様。


『シスルも一度森に入ってみたらどうだい?人生観が変わるかもしれないぞ』

『いやぁ…それで俺まで行方不明になったらどうするんですか〜』

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