イジワル王太子と政略結婚!?
『ずっとここに立っててもしょうがねぇし、とりあえずあの小屋に行ってみようぜ』


返事を待たずに、私の手を引いて赤い屋根の小屋へと歩きだす。



『……あ』

「なに?何かわかった?」


シーナは突然立ち止まって私を振り返る。



『言い忘れてた。綺麗だな、そのドレス』

「……ドレス!?」


そーゆう時は嘘でも花嫁を褒めなさいよ!


明らかに不満げな顔をする私に、シーナはクスクスと笑う。



『うそ、冗談。
すげぇ綺麗だよ、リリィ』


……あ、本当に言った。

またあの優しい笑顔で。


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