ドラマチックスイートハート

小話に花を咲かせること2時間。







話のネタも食事も切れてくる頃合いだ。










そんな所へ丁度良く、店主が入ってくる。










「ユウ坊。今日はイチゴだぞ」









そう言って出されたのは、居酒屋には相応しくないイチゴパフェ。









明らかに、天崎専用のデザート。


この店のメニュー表を見ても、明らか存在しない。










「コウも食べる?」









「いや……俺は甘いもの苦手だからいいよ」









それだけ隣で確認すると、店主は気をきかせて出て行った。








これだけ天崎の事知ってるなら、いろいろと話したい事もあろうに。










「このパフェだけは絶品だわ♪ ……ここのおじさん、よく分かってるでしょ? 以心伝心なの。誰を連れてきても何も言わないし、こう言う職業柄な私の気持ちは理解してくれてるの」










見ていれば分かる。


だから天崎も、自然とここに足を運ぶと言う事も。










「そろそろ行こっか? コウもだいぶ慣れてきたみたいだし」









格好つかないが、励ましてもらったりアドバイスも受けたので、何とか気持ちが落ち着いて帰れそうだ。










「じゃあ行くか。今日は付き合ってくれてありがとな、由奈」










感謝の気持ちを込めて、天崎の行き着けの店を後にした
< 46 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop