ドラマチックスイートハート
こうして会うのも喜んで来て、街中で腕でも組もうかと思い、誰かに見つかり噂を流させたかった。
どんな形でもいいので、それが彼女に行き着けば別れに繋がる可能性にもなるからだ。
「どうも腑に落ちない……急に本美は俺に対して明らかに態度が豹変した。何を隠している?」
「別に……ただの思い過ごしじゃない?」
そう言いながら、ハイヒールの音はコツコツと遠ざかって行く。
「待て。どこへ行く?」
「帰るだけよ。こんな場所にいても噂にならないし一文の得にもならないわ」
そう言い残し、姿を消してしまった……
…………
「はいカット。お疲れさん」
監督の声がかかり、石垣はこのシーンも見事やり遂げた