ドラマチックスイートハート

こうして会うのも喜んで来て、街中で腕でも組もうかと思い、誰かに見つかり噂を流させたかった。










どんな形でもいいので、それが彼女に行き着けば別れに繋がる可能性にもなるからだ。











「どうも腑に落ちない……急に本美は俺に対して明らかに態度が豹変した。何を隠している?」











「別に……ただの思い過ごしじゃない?」










そう言いながら、ハイヒールの音はコツコツと遠ざかって行く。











「待て。どこへ行く?」










「帰るだけよ。こんな場所にいても噂にならないし一文の得にもならないわ」











そう言い残し、姿を消してしまった……









…………









「はいカット。お疲れさん」











監督の声がかかり、石垣はこのシーンも見事やり遂げた

< 49 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop