ドラマチックスイートハート
どんなに辛くとも、受け止めなきゃいけない。
人が前に進むとは、そう言う事だ。
男は次に、デザートを口に頬張りながら答えた。
「んじゃあさ。んじゃあさ。もう警察行って直接聞いちゃったら?」
すると、それも尽くした由奈は顔を左右に振った。
「事件を思い出しちゃいけないってコウが行ってくれたんだけど……門前払いされたみたい。そりゃそうだよね、もう解決してる事件だもん」
限られた事はもうない。
後は、墓場で会った事件を知っていると言うあの謎の女性から、情報を得るしかない。
もう一度会う為に、最近頻繁に墓参りをするようになった由奈。
しかし、未だ会う事はない。
「あーあ。あの時聞いときゃ良かったな」
そう言うと、女友人は慌てて声を掛ける。
「由奈っ! 由奈っ!」
「え?」
気付くと、おかわりしたてのジュースに息を送り、泡がブクブクとなる度に外にこぼれていた。
「あー! やっちゃた!」
そう言って由奈は、慌ててハンカチでテーブルを拭いた