先生と生徒
「適当だなー、おいっ」
「和也に言われたくありませーんっ」
そんな他愛のない会話をしながら何とか到着したアトラクション。もといジェットコースター。
「うっわー…並んでるな」
「だね?」
目の前にはすごい行列。
「これ、乗ーるっ!」
「身長足りないからダーメ」
目の前の親子も並びながら言い合う。
「大変そうだね」
「だな?」
他人事のようにその親子を見ていた。
「もうちょっと大きくなったら乗ろうな?」
「イジワルー!」
「意地悪じゃないの!」
目の前の親子にはどうにも母親がいないように見える。
「俺らも並ぼか?」
「ん、そうだね…」
その親子の後ろに並ぼうとした時。
私の心に…波打った。