ハッピーエンド
「私だって・・・私だってずっと一人だったんだから。あなたみたいに綺麗じゃないし馬鹿だし・・・友達はみんな影で私の悪口言ってるし、いつもいつも片思いばっかりで・・・あなたには死んじゃったけど恋人がいたんでしょ?その時は幸せだったんじゃないの?お願い・・・もう許して」

最後まで言い終えない内に亜衣は泣き崩れた。子供のように激しく泣きじゃくる。

「優しくなんかしないで!」

たまりかねて肩を撫でた仲埜の手を亜衣は振り解く。

「もういいでしょう?僕達逃げませんから、此処から出して下さい」

少し冷静さを取り戻した慶介までもがはっきりとした口調で直訴した。

「・・・駄目です」

葛西の表情がさらに苦渋に充ちた物になる。
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