恋
キーンコーンカーンコン…
チャイムが授業の始まりを知らせる。
「行こう!」
そう言ってハチは私の手を引いて走り出した。
普段は入れない屋上。
その扉の鍵をハチは何故か持っていた。
「それ、どうしたの?」
私が聞くとニヤっと笑いながら鍵をあけて扉を開けた。
「男なら誰でも持ってるって!合鍵ちゃん♪」
そう言ってまた手を引いて屋上へと入り込んだ。
空は綺麗な青色。
向かいの山はもう秋色に染まっている。
風がちょっと冷たい。