キーンコーンカーンコン…


チャイムが授業の始まりを知らせる。


「行こう!」

そう言ってハチは私の手を引いて走り出した。


普段は入れない屋上。


その扉の鍵をハチは何故か持っていた。


「それ、どうしたの?」
私が聞くとニヤっと笑いながら鍵をあけて扉を開けた。

「男なら誰でも持ってるって!合鍵ちゃん♪」

そう言ってまた手を引いて屋上へと入り込んだ。


空は綺麗な青色。
向かいの山はもう秋色に染まっている。


風がちょっと冷たい。



< 21 / 260 >

この作品をシェア

pagetop