カズ君は私の手を引っ張ってきた。

「な、何するんですか?」

「送るわ~。」

「え?いいですよ、隣ですから…。」

「なんで敬語?まぁー、送るって!」


私はそのままカズ君の手に引かれてハチの部屋を出た。
玄関を出て「ありがとう」と言ってすぐに自分の家に戻ろうとしたときだった。

「ハチの事、好きなん?」

「・・・え?」

足が止まる…

「ハチが…好きなんやろ?」

「…カズ君には、関係なッ」

「応援したるわ!」
私の言葉をかき消すようにそう言ってきた

「は?」

こいつ、何言ってんの?


カズ君はニコっと笑い私のそばへと歩いてくる。

「これ、俺の携帯のアドレスと番号。」

そう言って差し出された紙…。

< 77 / 260 >

この作品をシェア

pagetop