拓く、道
戸惑って
いつの間にか私は泣きやんでいて
心臓の鼓動も落ち着いて、足の震えも治まっていた。
神崎弘斗がこっちを見つめている。
すごくかっこいい顔をしてるけど
こんなチャラ男に私が心を許すはずがない。
「落ち着いた?」
「大丈夫…。もう帰ります。」
私はまだおぼつかない足で立ち上がった。
「ちょっと待って!!一緒に帰んない?」
「いや、一人で帰りたいんで…」
「帰る途中にまた自殺とか考えるんじゃねーの?」
「別に…わかんないですけど…。」
「危ないから俺も一緒にいる。自殺を救った責任者として」
「……。」
とりあえず私は神崎弘斗と一緒に
帰ることになってしまった。