最愛の人

ずっと考えてもわからない事が多かった。

しまいには直孝のメールや電話を出る事も

重荷になってしまった。

別に直孝が悪い訳じゃない。

そんなのわかってるよ。

わかってるけど今の私じゃダメなんだよ。

《輝愛?何してる?会いたい》

《俺なんかした?》

決まってこの二通が来るようになった。

夜も眠れなくなり食事すら出来なくなった。

寝ても覚めても嫌がらせが止まる事はなかった。

次の日も学校に行くと私の番号やアドレスが書いてあった。

【寂しいから相手して(>_<)
080−〇×〇☆−◇★○★だよ♪
アドレスは
naotaki-love−☆★☆◇】

「なにこれ?」

今日も私は黒板を消す。

誰がこんな事してるの?

一体なんのために?

嫌がらせは徐々に酷くなっていった。

たちまち知らない男からメールが入ってくる。

《寂しいなら俺が相手になるよ》

《俺の息子さんシコシコして》

色々なメールが入り私は毎日吐くようになった。

けして直孝とお姉ちゃんに言う事なく。

ある日私は朝起きてご飯を食べたらいきなり視界が悪くなった。

私が立ち上がるとふらっとして意識がなくなった。

夢をみた。

直孝が泣いている夢。

なんで泣いているの?

直孝どぉーしたの?

なにかあったの?

直孝は闇に飲み込まれて私はふと目が覚めた。
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