オパール・オッドアイ
私がある程度成長すると両親は働き始めた。
私に対して引け目を感じていたのかもしれない。
親が普段家に居ない淋しさからか琥珀はよく私の後ろをくっついて歩いていたし、それが可愛くて一生懸命面倒をみていた。

時が経つにつれ私は徐々に学校を休みがちに。
外出もなくなり引きこもりになった。

人目が気になったのが一番の理由だけど、私のせいで琥珀が学校に居づらくなったり虐められたりしないかが心配だった。

琥珀の瞳は両目とも焦げ茶でオーラを観る能力も無し。
普通の生活が出来るはずなのに私のせいで窮屈な思いをさせないように距離をとったこともある。
結局突然突き放されて戸惑った琥珀が雪お兄ちゃんに助けを求めて、理由を聞き出されてギクシャクした空気もすぐに収まった。
その頃から今みたいなどっちが年上だか判らないような関係になったのかもしれない。
もともと私達は年子だから差はそこまでないけど姉としての威厳はそこで途絶えた。
「雪夜兄さんにも姉ちゃん甘やかさないで下さい!って言ってるのに。
どうして聞いてくれないかな~?
まあ、だいたいの想像はつくけど…。」

「なんで?」

「姉ちゃんが懐いてきて嬉しそうな顔してるのが、嬉しいんだろ。
(本人は気付いてないだろうけど雪夜兄さん、姉ちゃんのこと恋愛感情込みの好きだもんな~。
……鈍い人を好きになるってとことん報われないよね。
俺の知る限り姉ちゃんが兄さんを意識し始めるずっと前から生殺し状態。
それでも『まだ早い!』とか言って過保護に守って手を出さない兄さんも兄さんだけど…)
可哀相。」

「そんなに哀れまなくても…。
私だって大事にしてもらってるのはわかってるよ。
妹みたいなもんだし…。」

「(微妙にすれ違ってるんだよな~。
両思いなのに。)

姉ちゃん!今日も雪夜兄さんのとこ行くんでしょ?
俺からの伝言お願い。
『ぼ~っとしてるとどっかから鷹が湧いて掻っ攫われちゃうよ。』
って。」

「別に構わないけど何の話?」

< 17 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop