オパール・オッドアイ
パステル羊
部屋に戻っても寝付けなかった私は翌日熱を出した。
普段使わない脳みそを過剰に使用したための知恵熱だろう。
遊びに来ているはずなのに昨日は溺れて今日は熱を出して動けないでいる。
一体何をしてるんだろう?私は。

「はー。」

さっきからため息しか出て来ない。
退屈だ。

でもうさぎや雪お兄ちゃんに顔を合わせないで済むのはとても助かる。

今はどちらと合っても気まずい。

うさぎは裸を見られて気まずいのももちろんある。
でもそれ以外に気まずい理由が出来てしまった。
雪お兄ちゃんに告白された事でうさぎも恋愛対象として見ている自分に気付いてしまった。
雪お兄ちゃんに対する気持ちはぶれないと思い込んでいただけにショックだった。
自分はこんなに惚れっぽかったのか。

雪お兄ちゃんに貰ったペンダントを見ると昨日の出来事を思い出す。

私の事を守りたいと言ってくれた。
愛していると言ってくれた。

私のこれは《愛してる》なのだろうか?

愛は愛でも兄弟愛とか家族愛?

それともあの時うさぎの顔が浮かんだのは、雪お兄ちゃんと付き合うことになったらもう会えないと思ったから?

これは友情?

…わけが判らない。
だんだん頭痛までしてきた。
「う~っ。頭痛い~。」

「失礼致します、お嬢様。
氷嚢をお持ちしました。
具合の方はいかがですか?」

「凄いタイミング良いね、るーちゃん。
ちょうど頭痛がしてきたとこ。」

「夏風邪かもしれませんね。
本当に病院へは行かないのですか?」

「病院、嫌い…。」

もそもそと答えて布団の中に避難する。

病院が嫌いなのも本当だけど今病院に行くとなると雪お兄ちゃんに車を出してもらわないと行けないのだからできれば避けたい。
ここからかなり距離があって歩きは無理だ。
「仕方ないですね。
水分をよくとって毒素を排出してください。
後、安静にしていてくださいね?
余計な事は考えなくて良いですから。」

「…はい。
何で考え事してるのわかったの?」

「琥珀お坊ちゃまから言づてがごさいました。
姉ちゃんが眉間にしわ寄せてたら何か要らない事考えてる証拠だから注意してやって、とのこと。
良い御兄弟をお持ちですね。」
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