『霊魔伝』其の弐 火の章
村長は正面に潜んでいる敵の霊魔に向かった。

村長の後にアミリタ、シュレイが続き、右にドハンバとテイジュ、左にセンダリ、アラハシャと分かれた。

村長は火の属性、アミリタは金の属性、シュレイは水と木の属性。

火と金は相反する属性であるが、シュレイの水と木の属性が二人を支えて互いの力を合わせることができるようになる。

そんな村長たちの前に立ちふさがったのは、双子の霊魔である火の属性を持つマニと水の属性を持つラニだった。

その姿は憤怒の形相を持つ大男だった。
マニは右手に炎揺らめく剣を持ち、ラニは先が三つに分かれた刃を持つやりを両手で構えていた。

ラニが大地を震わせるような大声で言った。
《ここから先へ行くことは叶わぬ。もし行くのならば、我らを倒してから行け。》

《ラニ、マニよ。我らは同士ではないか。争う理由無いはずじゃ。さぁ、道を譲ってくれ。》
村長は静かに言った。

《問答無用。引かないというのなら、仕方ない。覚悟。》

そう言うとマニは剣を村長に向けて振り下ろした。
ゴオッという音と共に、剣先から炎が吹き出して村長を襲った。

村長の身体は炎に包まれたが、その炎は次第に小さくなり消えた。

《火の攻撃は無駄だ。》
村長は言い放つと、両手を合わせた。

すると手の中から、マニの剣よりもひとまわり大きく、その刀身に七つの刃を持つ剣が現れた。
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