『霊魔伝』其の弐 火の章
 村長はふらつきながらも立ち上がると、周りの者に言った。

《皆の者、良く聞いて欲しい。私はもうそう長くは持つまい。
ラニの攻撃は私の身体を貫いている。
これからの指揮は、ドハンバに任せる。
テイジュよ。この身を村まで連れて行ってくれ。
バラダハンに話さなければならないことがあるのじゃ。》

テイジュが村長の身体を支えた。村長は苦しそうに続けていった。

《零次朗殿、申し訳有りません。この後はドハンバと行動を共にしてください。信頼できる男です。
カクギョウさん。零次朗殿を頼みます。
それとこの七支刀を託します。
本来は零次朗さんに渡したいのですが、今は時期尚早です。
もっと修行をしなければ、使いこなせないでしょう。》

時空の歪みの狭間から、カクギョウと零次朗は戻った。

零次朗は悲しみを押し殺していった。
「村長さん、しっかりしてください。俺は大丈夫です。」

「村長さん、零次朗君のことは私が責任を持って引き受けます。その七支刀は零次朗君が使えるようになるまで、預かりましょう。」
カクギョウは村長から七支刀を受け取った。

村長は零次朗の右胸に手を当てた。
《龍の一族の者よ。零次朗殿を頼みましたぞ。》

《わかった。零次朗と友に戦うことを約束する。》
炎の龍太が力強く答えた。

村長は零次朗の目を見つめ、頷くと村に向かって歩き始めた。

「村長・・・。」
 零次朗の言葉は声にならなかった。

カクギョウが零次朗の肩に手を添えた。

「さあ、行きましょう。ドハンバさん指示をお願いします。」

《体制を整えましょう。》
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