『霊魔伝』其の弐 火の章
残ったのは、零次朗を始め、カクギョウ、ドハンバ、センダリ、アラハシャ、シュレイの六名となった。

《シュレイよ、先頭に立って気配を探ってくれ。アラハシャよ、後ろを守ってくれ。センダリは零次朗殿とカクギョウ殿を守れ。
カクギョウ殿、その七支刀私が持ちましょう。》

「いや、これは私が預かったものですから、私が持ってますよ。」

《そうですか。では、お任せしましょう。さあ、行くぞ。》

シュレイとドハンバが先を行き、その後に零次朗とカクギョウ、センダリと続き、アラハシャが少し離れて歩き出した。

《零次朗、気を強く持て。未だこれから試練は続くのだ。》
小太郎が励ますように言った。

カクギョウも零次朗に言った。
「零次朗君。君は恵まれている。こんなに仲間から好かれるのは、君の心の純粋さだ。それさえ忘れなければ、きっとこの試練を克服できる。」

「ありがとうございます。小太郎、俺は負けない。」


一行がしばらく行くと、シュレイが立ち止まった。

闘技場がその先に見えていた。

シュレイが気配を探っている。

《おかしい。闘技場からは邪悪な気配が伝わってこない。複数の霊気はあるが、邪気は感じられない。》

シュレイがそう呟くと、ドハンバが言った。

《とにかく闘技場へ行ってみよう。油断するな。》

周囲の様子を窺いながら、闘技場に近づいていくと、入り口に誰かが立っていた。

よく見るとイシャナエイだ。

《ようこそ。お待ちしていました。》

《イシャナエイ、良くも裏切ってくれたな。》
ドハンバが叫んだ。
< 52 / 57 >

この作品をシェア

pagetop