『霊魔伝』其の弐 火の章
《実は、先程までドハンバが偽者だったとは、不覚にも気づきませんでした。
しかし、ラニとの戦いの時、ラニの意識がドハンバに向いていることに気づきました。
おかしいと思いつつ、ドハンバの様子を見ると、気の乱れがありました。
そこで芝居を打つことにしました。わざとやられて、ドハンバに指揮を譲れば行動を起こすだろうと。
もし、ドハンバが偽者でカフェミヤなら、不自然なところがあるだろうと。
奴のねらいは、零次朗殿の身体。そしてカクギョウさんに預けた七支刀だったので、敢えて私の手から離しました。
零次朗さんには、小太郎の宿る霊剣があったので手が出せませんでした。
が、七支刀に関してはきっと狙うだろうと思われました。
やはり、思った通りカクギョウさんから、七支刀を預かろうと言いました。
本物のドハンバなら、そんなことは口にしません。
その様子はシュレイから伝わってきました。
彼は零次朗殿も知っているように、分身を操れますので、その分身が伝達役を務めました。》

「そうだったのですか。ラニとマニはやはり、カフェミヤの部下なのですか。」

零次朗が聞くと、村長は悲しげに答えた。

《残念ながら、そうです。カフェミヤに操られていたようです。本来は心の優しい双子だったのですが、どこかに隙があったのでしょう。》

「これからどうしましょうか。」
カクギョウが七支刀を村長に返しながら言った。

《カフェミヤは、未だ封印が完全に解けてはいないので、それが解けるまでは身を隠すでしょう。
今のうちに、この影の世界から元の世界に戻ってください。その後でここは閉じます。》

「わかりました。カクギョウさんは、どうします。」

「私も戻ります。零次朗さんとは、どこかでまた会えるでしょう。」

《それでは、イシャナエイが出口まで案内します。》
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