おしえてください、先生。
「あー……えっと、相田雄悟です。よろしく」
「た、高畠南……です」
俯いたまま、名前だけ言う。
「そしたら南、自分の部屋に案内して?」
「う、うん……」
こっちです、と言って自分の部屋に入る。
ベッドと本棚、勉強デスクが置かれ、部屋の真ん中スペースには長方形型のテーブルと座布団が二つ置かれている、6畳部屋だ。
長方形型のテーブルの長辺側に置かれた座布団の上に座るように促す。
雄悟くんは素直にそこに座る。
私もテーブルを挟んだ正面に腰を下ろした。
どうしよう……男の人と二人なんて、無理だよぉ……。
6畳の自分の部屋がいつも以上に狭く感じて、息苦しい。
しばらく私も雄悟くんも話さなかったが、部屋の扉がノックされたことで沈黙は破られた。
――ガチャ。
扉が開く。
「紅茶でよかったかしら」
お母さんがそう言ってトレーを持って入ってきた。