BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

追い出されるように部屋の外に出た瞬間、何かにぶつかったような感覚を肘に感じた…

しかし、そんな事すら気にする事もなく、いや、気がつかなかったのか、シュウは固く閉ざされた扉を一度見ると、背を向ける…

そして、何か暗い雰囲気を漂わせながら去って行った…




そんな後ろ姿を目にしたある人物…

シュウの肘にぶつかった人物は、額に両手を当て、大袈裟に叫んでいた…



 「いってぇなー……あいつ、謝りもしねぇのかよ…………何があったんだよ、シュウ!」


様子の可笑しい、謝ることすら忘れた様子のシュウを呼び止めようと名を叫ぶが…


 「…」


シュウは、その叫び声が聞こえなかったかのように、振り返る事もなく、尚も、暗い雰囲気を漂わせながら歩を進める…



 「おい!シュ……っ…」


再び名を呼ぼうと口を開いたが、その続きを発する事はできず、顔を歪めた…


なぜなら、彼の隣に立つ少女が、彼の方耳を掴み、引っ張っていたのだ。



 「いってぇだろ!放せっ!」

 「五月蝿いある。マリン達は仕事をするあるよ。」


耳を引っ張られ、身長差のある人物を見上げ、睨んだ。

すると、彼女は腰に手を当て、怒ったように叱ると、彼を引っ張って、シュウとは反対方向に歩き出した。



 「仕事って、地下の書籍整理ってどんだけだよっ!俺達帰ってきてそんな時間経ってねぇぞ!」



自分の足で歩こうとはせず、彼女に引っ張られるまま身を任せた彼は、腕を組んで反抗する。


すると…


彼女は突然、彼の耳から手を放す。

いきなり手を放された彼は、ドスンと尻餅をついて床に座り込んでしまった…



何だよ。と言う感じで彼女を見上げると…

そこには、鬼の形相の彼女がいて…



 「これ以上、痣、増やしたいあるか?」



床に座り込む彼を見下ろし、ポキポキと指を鳴らす彼女…



 「…遠慮、しておきます………」


そんな彼女の姿を見て、冷や汗を額に浮かべながら、謝るのだった…

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