BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
考えるように眉を寄せるカナメ。
そんな彼女を見て不思議に思い、何なのか問いただす。
するとカナメは、隠す事はないと正直に答えてくれた。
マリンが行方不明だという事を…
「俺が行く……」
それを聞いたライナスは立ち上がろうとするが、やはり傷が痛み動けない。
顔を歪め、傷口を憎らしそうに睨んでいると、カナメは彼を寝かせ布団を掛け直す。
「あんたは回復するまで休んでな。
マリンの事なら、レオンが手を打ったて言ってたから、安心して大丈夫よ。」
そう言って微笑むと、部屋を出て行こうとする。
「なぁ姉貴……」
そんな彼女を引き止めると、振り返った彼女を心配そうな瞳で見つめた。
「疲れてんだろ?あんま無理すんなよ……」
「何言ってんの。休んでる暇なんてないの。皆怪我負って苦しんでるんだから……」
眉根を下げる彼を見て彼女は吹き出してしまう。
そんな彼女に心配して損したと呟くと、彼はそっぽを向いた。
ごめんと謝りながら、微笑みを見せ手を挙げると、安静にしてなよと一言。
それだけ言うと部屋を後にした。
彼女の後ろ姿を見つめ、部屋から消えると、彼は溜め息を吐く…
「こんな時でも、何もできないんだな……」
そう呟くと、布団を握り締めた…
だが握った拳にも力は入らず、舌打ちをすると両手を頭の後ろに組みベッドに横になる。
ボーっと天井を見つめていると、近くですすり泣く声が聞こえた…
何だろうと声の聞こえる方へと目を向けると、隣のベッドの中にうずくまる人物が目に入った。
ライナスに背を向けベッドにうずくまる、濃い茶色の髪をした少女。
「レナ……?」
彼はそう呟くと、名を呼ばれた人物はビクッと身を震わせ恐る恐るこちらへ顔を向けた。
ライナスと合ったくりっとした大きな瞳は潤み、震えている…
その瞳に胸を締め付けられながら、腹部を押さえレナの元へと歩み寄る。
ライナスが側の椅子に座ると、レナは身を起こし、布団を抱くように抱き締めた。