幕末女剣士~新選組~
「っ…山南さん」
頬が緩むのと同時に手紙に
一粒雫が落ちた。
その雫は次々と手紙に落ちて
字が滲んでしまう程だった。
漸く自分が泣いているんだと
分かり、途端に堰を切ったように
涙が溢れだした。
「っ…うぁ…っく…さんなん、さ…っ」
一人、部屋の隅で縮こまって
涙の止め方を知らない子どものように
泣き続けた。
気がつくともう辺りは暗かった。
泣き疲れて寝てしまったみたいだ。
「喉…渇いた…」
声潰れてるし……
「美穂…?飯の時間だぜ…?」
控え目に話し掛けて来たのは
左之さん。
短く返事をしてアタシは広間へ向かった。