ゼロクエスト ~第2部 異なる者
私は彼らが戦っている間に、タイミングを計りながらじりじりと後退していった。
「エリスさ〜ん、アレックスさ〜ん!!!」
私たちを呼ぶ聞き慣れた高音が、背後にある狭い路地の奥から響いてくる。
「逃げてくださ〜いっ!!!」
その声に対して、私は後ろを振り向きたくはなかった。何となく嫌な予感がするのだ。
何故なら、つい最近にも似たような場面に遭遇した気がする。もしかしてこれが世間で言うところの『デジャヴ』というやつなのだろうか。
と、風を切るような音が直ぐ近くで聞こえてきた。
足元にソレが突き刺さるのを見た私は、反射的にその場から飛び退いていた。
振り返ると案の定、エドがこちらへ向かって必死の形相で走ってくるところである。しかもその背後からは、短剣が何本も投げられてきていた。
「な…っ、ちょ、エド!??」
私は咄嗟に風のシールドを張った。それは音を立てて跳ね返される。
「は……あれ??」
剣がシールドで阻まれたのだ。つまりは私の術が「正常に機能」しているということになる。
「何で? だってさっきは弱い術しか出せなかったのに」
「エリスさ〜ん、アレックスさ〜ん!!!」
私たちを呼ぶ聞き慣れた高音が、背後にある狭い路地の奥から響いてくる。
「逃げてくださ〜いっ!!!」
その声に対して、私は後ろを振り向きたくはなかった。何となく嫌な予感がするのだ。
何故なら、つい最近にも似たような場面に遭遇した気がする。もしかしてこれが世間で言うところの『デジャヴ』というやつなのだろうか。
と、風を切るような音が直ぐ近くで聞こえてきた。
足元にソレが突き刺さるのを見た私は、反射的にその場から飛び退いていた。
振り返ると案の定、エドがこちらへ向かって必死の形相で走ってくるところである。しかもその背後からは、短剣が何本も投げられてきていた。
「な…っ、ちょ、エド!??」
私は咄嗟に風のシールドを張った。それは音を立てて跳ね返される。
「は……あれ??」
剣がシールドで阻まれたのだ。つまりは私の術が「正常に機能」しているということになる。
「何で? だってさっきは弱い術しか出せなかったのに」