蹴球魂!!!!
「そっ…か……」


心の中で、何かが崩れる音がした。

溢れ出そうな涙を、必死に堰き止めた。


泣いてる所なんて、見られたく、なかったから…。


「俺、その事を言おうと思ってた」


…は??


「な…んで…??」

今にも泣きそうなあたしの声は、小刻みに震えていて…。


「まだ、そいつの事、諦めらんねぇんだ」


晃汰は、泣きそうなあたしに構う事なく話し続けた。


「まだ、って…??」

昔好きだったの??


「元カノ…なんだ」


ーズキン

心が軋んで、悲鳴をあげた。


…聞かなきゃよかった。こんな思い、したくなかった。

…“好き”なんて、言わなきゃよかった……。


「なんでっ…あたしに、言う、のっ……??」


必死に堰き止めていた涙が、堰を切ったように溢れ出した。

あたしが知りもしない、晃汰の元カノさんに、汚い嫉妬を抱いているあたしがいた。


「お前に、協力してほしかった」


やだ…。嫌だよ……!!!!

ブワッと溢れ出る涙が、あたしの言葉を掻き消した。


「俺の元カノ…鈴木、なんだよ」




< 129 / 394 >

この作品をシェア

pagetop