蹴球魂!!!!
「そろそろ帰るー」

外を見ると、眩い月が、真っ暗な空に浮かんでいた。

「おう。気ぃつけてなー」

「うん、またね…愛しのクリス!!!!」

「まだ言ってんのかよ」


半ば呆れ気味の晃汰。

仕方ないじゃん、クリスかっこいいんだもん!!!!


「暑っ…!!!!」


晃汰の部屋のドアを開けると一気に、梅雨明けの灼熱の空気があたしを包む。


「円」

う、わ……。名前で呼ばれたの、いつ以来??

なんか緊張…。

「何っ!?」

うわ、声裏返った…。緊張しすぎ!!


「熱風入ってくるからさっさとドア閉めろ」


ーガクゥッ

脳内で、イメージのあたしがずっこけた。


「うるさいなぁ!!じゃあねっ」


あたしは少し冷たい口調で、バタンとドアを閉めた。

言ってくれるはずもない、“冗談に決まってんだろ”なんて言葉を期待して。


「……。」

だけど、そんな淡い期待も儚く散って、あたしはあからさまに肩を落としながら晃汰の家を出た。


「円ちゃん、また来て下さい♪」

なんて、かわいい笑顔の晃汰の妹さんに見送られて…。

「これから1週間、お邪魔しまーす」

って敬語で返すあたし。


…情けない。泣
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