蹴球魂!!!!
「あのぉ…冷却スプレーが切れちゃってぇ…もしよかったら、貸してくださいっ!!」

「え…あ、うん。どうぞ!!」

「わぁっ♪ありがとぉございまぁーすっ♪」


自分で出しててイラッとする、この声と喋り方。

全ては、大輔先輩の計らい。


相手を油断させて、作戦を盗み聞きしてこいっていう、意味不明なスパイ作戦。

成功するわけない…。


“円ちゃんが、お色気パワーで…”

“え、大輔先輩、何言ってんすか??”

“へ??”

“こいつ、色気なんてどこにもないじゃないっすか”


キーッ!!!!

晃汰の奴、ムカつく事ばっかり言いやがって…!!

思い出すだけでイライラする!!!!


「ま、円??とりあえず落ち着け??」

「飛鳥…無理だよ…」

「そんな顔じゃ、お色気パワーもへったくれもないぜ??」

「ふんっ!!色気なんてどこにもないもんねーだっ!!」

「ったく…」


一応、気にしてる事だもん。

あたしだって、1人の女の子。サッカー部ってだけで、あとは他の女の子と何ら変わりない(…はず)。


「とりあえず、演技!!」

「あ、そうだった」


借りた冷却スプレーで、飛鳥の治療(のフリ)をする。

すると…


「じゃあ、作戦な??」


…隣高は、馬鹿なのだろうか??それとも余裕なだけ??

普通、こんな所に敵がいるのに作戦会議なんかしないでしょ!?!?
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