蹴球魂!!!!

Game16

ーヴーッ ヴーッ


ケータイがバイブで震える。その音であたしは目を覚ました。

…ここ、家……??


あれからどうやって家に帰ったのかはわかんない。


あの飛鳥の言葉だって、現実なのか幻なのかわかんない。


ただ1つわかるのは、あたしの胸がズキズキと痛む事。

飛鳥の言葉を受け入れられないあたしが、嫌になる。


「皆……」

ケータイを開くと、新着メールが3件。俊介と晃汰と、そして…飛鳥。


〈円っ!!体調は大丈夫ー??…飛鳥と、何かあったでしょ。相談ならいつでも受け付けるよーっ☆〉

終始明るい文章の俊介のメール。それでもやっぱり、理由が何なのかはわかってる。体調不良なんかじゃ、ないって事が。


〈飛鳥と付き合うのか??〉

こちらはまた…ストレートすぎる文章ですね…。まぁ、そこが晃汰らしいけど。って…やっぱりあれは、現実なんだ…。


ードクン…


最後に残ったのは、飛鳥からのメール。

…開けるのが、怖いよ。現実を見つめたく、ないよ。


そう思いながらも、あたしは覚悟を決めてボタンを押した。


〈円、いきなりあんな事言ってごめん。でも、言った事、後悔してないから。円の事本気だし。…時間かかっても良いから、返事くれ!!〉


ーズキンッ


「ふぇっ……う……」

涙が溢れ出た。声を殺す事も出来なかった。



相手は飛鳥なのに。


あたしは、飛鳥の事を異性として好きになれない…。
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