例えば私がアリスなら




「あーそれにしてもびっくりした!あなたはマコトちゃんって言うんだね!
私は三月兎のノアリール・マーチ。ノアって呼んでね!」


まだ言うか。もうアリスの世界観には惑わされないぞ!


「で、あの男の子が眠りネズミのウィコット・マルクス。
帽子被ってるのが帽子屋のアルディ・ルーネス」


「……やはりコスプレか何かで」


「えっ、僕達はコスプレをしていたんですか?」

「うーん、した覚えは無いけどお……」


帽子屋(仮)と三月兎(仮)が首をかしげ合う。
いやいや、こっちが聞きたいんですけど……。



「うーん、何かよく分からないけど、マコトちゃんはウサギなんだね?
ノアと……私と一緒だねー」


ノアちゃん、何故言い直したんだ?


ぱっと見ウサギな私だから、否定するのも面倒で、とりあえず手を握られて同類であることを喜ばれておく。

はあ……もうウサギでいいです。



投げやりに人間の誇りを捨ててしまいそうになった時だった。




「違います!彼女はウサギじゃありません!」



なんだ!神の声が聞こえるっ!

散々ウサギ扱いされ馬鹿にされ続けた私には、天からの救いの声にさえ聞こえました。


ノアちゃんは私の後ろに視線を移していて、つられて私も振り返ると、私の後ろに立っていたのは




「…………ウサギ?」



ウサギっ子パート2だった。

ノアちゃんと同じように兎耳を付けている。
しかし色は彼女の茶色とは違い、パート2の方は真っ白い耳だった。

まさか、いや、おそらく合っているはず。



「……あなたは、白兎?」


モフモフしたピンク色の手で指差すと、差された本人は長い耳をピーンと真っ直ぐ立て、キラキラな眼差しで私を見つめた。


「そうです!よくご存知でしたね!
私は貴女のおっしゃる通り白兎です。リヴと呼んでくださいっ」


白兎か……私とキャラが被るんだけど、おそらくこの場にこの被りに気付けている人はいないな。
やっぱり衣装係に文句言おう。
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