例えば私がアリスなら



そのリヴとやらは、妙に瞳がキラキラしている。
なんか、いろんなプラスの感情が詰め込まれたような視線を一心に私に向けてくる。

なんだろう。一瞬、あの赤い瞳を知っているような気がした。



「リヴちゃん何しに来たの?お茶しに来たの?」


ノアちゃんが尋ねると、リヴさんはふるふると首を横に振った。
ふわふわした白銀の髪が揺れる。柔らかそうな髪だなあ。

肩より少し短いくらいのふわふわした白銀の髪。
並んで立ったら黄色人種代表の私の肌がかなり焼けて見えそうな程、綺麗な白い肌。
ぱっちり開かれた瞳の赤はカラコンだろうか。天然物であんなに綺麗な赤い瞳なんて、ある?

華奢な体格で、私よりも背は少し低め。
赤いチェックの服が、白い肌によく映えている。


お世辞無しに、なんて可愛らしい女の子なんだろう。
思い切り抱きしめたら骨がポキッと大変なことになってしまいそう。


そんなリヴさんは駆け寄ってきて、私の両手をキュッと掴んで自信有り気に言い放った。




「私はアリスを連れてきたんですよ!」


もう、ニッコニコだった。

しかし、その件に関しては忘れ去りたい思い出と化していまして。

私なんかじゃなくて、本物のアリスさんを連れてきた?
…………という設定の劇?



「ええーっ!どこっ!どこにいるの!?」

ノアちゃんが慌てて辺りをキョロキョロしだすと、リヴさんはキョトンとしていた。


「どこって、ほら、ここに」


リヴさんの細い指は、私の方を指していた。


……いや、間違いなく私を指していた。




「違うよリヴ。それは嘘つきの自称アリス。
また調子に乗るからあんまりからかっちゃ駄目だよ」


それって言うな!


眠りネズミ(仮)のウィコット君は興味なさ気にティーカップに手を伸ばす。

しかし白兎(仮)は譲らなかった。



「いーえ!彼女は“アリス”ですよ!
私を追い掛けてこの国へたどり着いたんですから!」


え、私こんな美少女を追いかけ回した覚え無い。



「え、何あんた。やっぱりストーカーだったの?」


「とんでもない誤解です!」

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