君のいない教室
「…クッキー」


そう言いかけた時、突然地味子が顔をあげたから、びっくりして途中で言葉が止まってしまった。

地味子は”?”という風に、首を傾げる。


「だから、クッキー、作ったんだろ?」

「え、うんっ」


僕は一体、何に怒っているんだろう…。

自分でもわかんないけど、地味子に八つ当たりしてしまった。


「え?それがどうしたの?」


地味子は何もわかってないといった顔で、僕を見上げる。

”欲しい”と言ってるの、伝わってほしかったんですけど…。


「だから!欲しいっつってんの!」


そう言うと地味子は、一気に顔が明るくなった。

そして、「はいっ!」とピンクでラッピングされたクッキーを差し出した。

その動きが、なんだか小動物みたいで、可愛いなとつい思ってしまった。



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