。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
バタンっ!!
勢いよく扉を蹴破ると、ソファに座っていた大狼がびっくりしたように目を丸めた。
180㎝以上もある長身に、甘いマスク。年齢の割りには若く見られる。黙ってりゃ女にモテまくるって言うのに…残念、こいつは女に興味がない。
「おい、大狼!てめぇ誘拐なんて真似しくさって!!貴様鴇田組に恥かかす気か!」
俺が怒鳴り声を上げると、大狼の腕から必死に逃れて男が顔を上げた。
「鴇田さん……助かった…」
あからさまな安堵の色を浮かべて、困ったような…怯えているような表情を浮かべていたのは―――
鷹雄 響輔だった。
「キョウスケ……」
意外な人物に、俺の方が驚いた。
「鴇田さんに会いに来たんです。龍崎グループに聞いたらここだって窺ったので」
キョウスケは大狼の腕から逃れるように、さっと立ち上がり俺の元へ駆け寄ってきた。
俺の顔を見て心底ほっとしたようだった。
「え??ヒヨコちゃんは組長のお知り合い?」
大狼が俺とキョウスケを交互に見る。
「そのヒヨコちゃんってのは何だ」
俺は大狼を睨んで、「こいつは龍崎会長の預かりもんだ。変な真似すると東京湾に直行だぞ」と冷たく言い放つと、大狼は、
「えぇ~せっかく運命の人と会えたって言うのにぃ」と、まだぶつぶつ言っている。そんな大狼は「ほらっ、タイガの兄貴!あっちにケーキ用意してありますよ」なんて組員に引っ張られていく。
気を改めてキョウスケをソファに座らせると、こいつは大狼の出て行った方を眺めながら、
「ちょっと…いや、かなり変わった人ですね」と呟いた。
「キョウスケ。気を遣わなくていい。あいつは変わった人じゃねぇ。
間違いなく変態だ!!」