。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「ね、響輔さんて元カノ何人ぐらい居るの?朔羅知らない??」


「アンケートの質問にはその項目作っておかなかったのかよ」


話がリコの恋バナになってきたので、ようやくあたしも落ち着いてきた。


「だってぇ面と向かって聞けないじゃん。そんなこと」


あれだけ凝ったアンケート作って置いて面と向かっても何もねぇだろ。


そう突っ込みたくなるのを押さえて、


「さぁはっきりとは…でも付き合ってた女は結構年上が多かったらしい」


しかもあの見てくれだし、何かと気が利くし、優しいし。かなりモテるらしい。


これは全部、戒情報だ。


キョウスケの口から直接聞いたことじゃない。秘密主義ってわけじゃなさそうだけど、自分のこと喋らないし……なんか謎なんだよね。


今も居るって言われれば、「そうなんだ~!」って納得できるし、居ないって言われても「そっかぁ」で終わる。


まぁ戒と違って、分かりにくいヤツだな。


「年上かぁ。あたしじゃダメかなぁ」とリコが可愛らしく吐息をついた。


「り、リコは可愛いじゃん!今日みたいなかっこだったらあいつもノックアウトだぜ!」


「そう?♪」途端にリコは上機嫌。リコも可愛いヤツだぜ♪


「そう言えばさぁ昨日の夜中結構雷凄かったよね~」と脈絡もなくリコが突然話題を変えた。


「朔羅雷ダメだったじゃん。大丈夫だった?」


「あ、うん。戒も居たし…」キョウスケも居たし……とは口に出せん。


「龍崎くんが??朔羅を守ってくれたの?キャ~!」と言ってリコは両頬を包み、顔をほんのちょっと赤らめた。


いや、あいつはあの雷の中爆睡だった…


色んな意味で守ってくれたのはキョウスケで……


でもあたし…


あいつに対しては何の恐怖も抱かなかったな―――


なんつぅか、あいつを男と意識できねぇって言うか……






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