。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。

クビ!?



◇ クビ!? ◇



――――


雪斗は死んで…もう居ない筈なのに……


今度こそ、どこか遠くへ行っちゃたみたい。




あたしの知らない―――どこか遠くへ……





「……へんな夢…」


目覚めたとき、開口一番にあたしは呟いた。


眠ったはずなのに、脳が妙に研ぎ澄まされていて、眠った気がしない。


―――…だからかな…


バイトに行っても、あまり集中できなかった。


ごしごしごし…


あたしはさっきから30分以上も間、しかめ面でトレーを拭いている。


「…朔羅ちゃん?顔が怖いわよ…でもトレーを磨いてくれてありがとう。おかげでピカピカになったわ。だからあっちのテーブルの片付けをお願いできる?」


とおネエ店長に指摘されあたしは、はっとなった。


「す、すみません!急いで片付けます!!」


慌ててグラスやら皿が残ったテーブルに走っていく様を、客にオーダーを聞いていた戒が怪訝そうに見てきた。


あたしは何でもないように曖昧に笑って、テーブルに駆け寄った。


そのときだった。


「ねぇねぇバイトの子?」


と、隣に座った四人組…ってか野郎四人でこんな子洒落たカフェかよ。寂しいヤツらだぜ。


と思わず突っ込みたくなったけど、あたしは愛想笑いを浮かべて振り返った。


「はい。ご注文ですか?」


「スマイル一つくださ~い♪」



にこにこ笑う男に、あたしは一瞬凍りそうなほど寒くなった。


古っ!今時言うか!?






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