軽業師は新撰組隊士!



涙は、流さなかった。

だけど


「なんて、…悲しそうな顔をして殺すんですか。」


沖田がそう言ってしまうほど、楓は今にも泣きそうな顔をしていた。


「…悲しいですよ、凄く。」


楓は涙を流すことを堪える。

そして、無理やり笑顔を作る。


「ははっ、私…、恨まれるんですって。」


「…、ですね。」


「でも、…それでいいんです。私が、殺したんですから。」


「…えぇ。」


「命って……、」


楓はそこまで言って、やっぱりいいです、と、首を横に振った。

そんな楓に声をかける沖田。


「帰りましょうか。」


「はい…。」


そこで、楓と沖田の会話を端から見ていた隊士が近くにやってきた。

気を遣ってくれたのだろう。



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